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特集
卒業生の活躍 坂本あこさん gochisou
坂本 あこ
Sakamoto Ako
2016年 東京造形大学大学院デザイン科修士課程修了
同年 テキスタイルブランド「gochisou」設立
「おいしいものを食べたときのように、ひとを幸せにするテキスタイルを」という想いのもと、手捺染にこだわった生地のほか洋服やバッグなどのアイテムを提案している。モチーフとなるのは食にまつわるもの。話題のベーカリーとのコラボレーションや、日本の伝統的な器をモチーフにしたシリーズを発表。
現在、どのようなお仕事をされていますか?またやりがいはなんですか?
自身のブランドの運営・企画の他、企業へのデザイン提供も手がけています。実際はデザイン業務が中心というよりブランド運営に伴う事務的な業務や管理が多かったりしますが、異業種である飲食店とのコラボレーションなど、自分のブランドだからこそできる独自の商品開発・イベント企画などは大変な分、とても楽しく勉強になります。
表現のために心がけていることは?
自分のデザインを通して、まずは日本の地域や歴史・食文化など興味の幅を広げていきたいという思いがあります。長く大切にしてもらえるように、身体にも優しい天然素材や昔ながらの染色方法にこだわりながら、食にまつわる道具や食べ物そのものの魅力を伝えられるようにものづくりをしています。具象的なモチーフが多いので、表現として説明的すぎないように気をつけています。近頃では生地(織物)からつくり、プリントに合わせられる無地の洋服作っています。少々高くても素材が良いものを買いたいというお客様の声に答え、生地を作り続けていきたいです。新作を出すことも大事にしつつ今までのデザインも大切にしていきたいと考えています。
テキスタイル専攻を選んだ理由、きっかけ、始まりはなんですか?
最初はファッションに興味があったので、単純にテキスタイル専攻を受験しました。
一般入試で入学し、鈴木マサル先生の大胆な色彩と構図に魅了され、ファッションだけでないんだとテキスタイルそのものの可能性を感じ、ますます授業が楽しみになっていました。
在学中にどのようなことを学びましたか?またその経験は社会ではどんな役に立ちましたか?
テキスタイルの可能性は無限で、使い方は自由、作り手として広い視点で見ることが重要だということを学んだように思います。特に大学院のころは朝から晩まで制作と向き合い、同時に自分という存在についても考えることが多くなりました。よく、好きなことは辛くても苦にならないと言いますが、好きと嫌いは表裏一体だと思います。大学で自分の好きなことにとことん向き合うことができたからこそ、何事においても頑張り方のベースを作ってくれたように思います。テキスタイル専攻は少規模だからこそすぐに行動にうつせたり、教授に相談しやすい環境でとても助かりました。
学生のみなさんに何かメッセージはありますか?
自分の好きな物事に素直になって向き合い、恐れないこと。言わば大航海のような学生時代に、思う存分興味のあることに貪欲になって、自分の新たな部分を増やしたり、たくさんの発見をしてみてください。仕事の基本はどれも一緒だと思います。頑張り方のベクトルをどこに向けるかで、何事も楽しめるのではないでしょうか。とことん自分が打ち込んだものこそ、その後の仕事に必ず繋がっていくと思います。
取材協力 坂本あこ gochisou −−−−−−future events−−−−−− ■2022/5/24-30 ISEPAN!2022 伊勢丹新宿店6階 ■2022/5/25-6/7 伊勢丹新宿店5階 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− interviewer 熊谷綾乃 この度は取材にご協力頂きありがとうございました!